2024年02月15日更新
認知を得るための広告
このシリーズは、主に初級者の方向けにWeb広告に関連する話題をとりあげます。
なんとなく知っているつもりでも、実はあまりよく知らないといった内容を、3分で読めるようなボリュームで記事を作っていきます。幅広い方にお読みいただければ嬉しいです。
今回は、「認知を得るための広告」です。
認知広告の目的
ファネルマーケティングの最初のフェーズに登場する「認知」を得るための広告について、皆さんはどのような手段を選びますか?
認知を得るための広告は、商品やサービス、ブランド名をより多くの人に知ってもらうことが目的です。認知度を高めることで、潜在顧客を増やし、将来的に販売促進や顧客ロイヤルティの向上に繋げることができます。
当社で取り扱っている通信販売の事例でも、過去にテレビCMを放映していたエリアでは、他のエリアに比べて明らかに高いレスポンス率を得られることはよくあります。予め認知されているブランドの商品やサービスは、オファーがあった時にアクションにつながりやすくなります。
認知広告によく使われる広告の種類
認知を得るために使われる広告には、様々な種類があります。代表的なものをいくつかご紹介します。
マスメディア広告: テレビCMや新聞広告など、多くの人にリーチできるため、認知度向上に効果的です。テレビや新聞の広告は信頼性が高いため、ブランドの信頼度も高まる傾向があります。ただし費用が高額なのがデメリットです。
動画広告: YouTubeなどの動画サイトで配信される広告です。最近ではCTV(コネクテッドTV)に向けた広告配信も可能になりました。視覚的に訴求できるため、商品やサービスのイメージを伝えやすいのが特徴です。
ディスプレイ広告: Webサイト上でバナー広告として表示される広告です。ターゲティング機能が充実しているので特定の層に効率的にアプローチできます。
SNS広告: インスタグラム、フェイスブック、X(Twitter)などのSNS上で配信される広告です。拡散力が高く、口コミ効果を期待できます。こちらも精度の高いターゲティングが可能です。
インフルエンサーマーケティング: 影響力のあるインフルエンサーに商品やサービスをPRしてもらう方法です。適切に行うと信頼性が高く、ターゲット層に効果的にアプローチできます。
OOH広告:交通広告や屋外の広告のことを指します。屋外に広告を設置することで、人々の視界に広告を強制的に入れられることが特徴です。通勤ルートなど広告の設置場所を上手く選ぶと特定のエリアに向けたターゲティングも可能です。
また認知広告はただ表示すればよいわけではなく、ポジティブに認知をしてもらわないと逆効果になります。そのために、広告クリエイティブを工夫することは特に重要になります。 目を引く画像や動画、キャッチコピーを使用することで、ユーザーの注目を集めることはもちろんですが、ただアテンションを高めるだけではなく、ターゲットユーザーが好意をもてる内容にすることが大切です。面白くない動画広告を何回も見せられると逆効果になりかねません。
認知広告のKPIは?
ところで、テレビCMなどの出稿時に使われてきた指標であるGRP(Gross Rating Point)ってご存じですか? 延べ視聴率とも呼ばれ、視聴率と放映回数から広告の効果を「想定」する指標として今もつかわれています。広告効果の測定が難しいオフライン広告ではこのような「想定」を用いた商習慣になっていたようですが、デジタルになっても純粋に認知の測定が難しいことは変わりません。
ちなみに、古い広告業界には「認知7回の法則」と呼ばれる言い伝え?があります。7回広告に接触すると認知が得られるという意味ですが、はっきりとした根拠は不明で、広告業界に伝わる暗黙知らしいです。
でも、ということは認知のKPIはインプレッション(表示回数)?なのでしょうか
たしかに、認知が目的の広告では、クリックやコンバージョンは必ずしも必要ではないため、インプレッションが重要なKPIとなります。さらにインプレッション単独ではなく、リーチ(広告がどれだけの人に表示されたか)、フリークエンシー(1人のユーザーに広告が平均何回表示されたか)のような指標と組み合わせることで、より詳細に効果を想定することができます。
認知広告の運用
このように「認知」は直接計測できないため、代替変数としてインプレッション、リーチ、フリークエンシー等がつかわれますが、これらは配信した証拠にはなりますが、GRPと同じく効果を想定するものでしかありません。
そこで、実際の運用ではその先にある「クリック」や「アクション」、または検索回数の増加などを代替指標にして認知の効果を想定しながら広告運用される場合が多いのです。なので、ファネルでは、「認知フェーズ」、「興味関心フェーズ」と分かれていますが、運用を考えると一体となっている場合が多いです。
YouTubeやTVerなどのコネクテッドTVの動画広告では、クリックやアクションはほぼ期待できませんので、直接入手できるデータはインプレッションのみです。市場調査をしながら効果を検証するか、興味関心や購買フェーズの効果をもって、認知広告の価値を確認することになります。またディスプレイ広告も認知が目的であればクリック率だけで評価するのは危険です。
まとめ
- 認知は直接測定することができませんので、インプレッションやリーチ等の代替変数を使って評価します。本当に測定する場合には市場調査が必要になります。
- 広告運用の指標としては、次のフェーズ(興味関心、アクション)の数や検索数などを元に広告の運用を行うことが有効です。
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