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2025年03月21日更新

「届けたい人に届ける」─STP分析

初級者のためのマーケティングフレームワークシリーズの第一回は、STP分析を取り上げます。

現代のマーケティングにおいて、限られたリソースで最大の効果を生み出すためには、「誰に、どのような価値を、どう伝えるか」という視点が欠かせません。その軸となるのがターゲティングマーケティング、そしてその基盤をなすSTP分析となります。

STP分析とは?

STPとは、以下の3つのマーケティングプロセスの頭文字を取ったものです:

Segmentation(セグメンテーション)
市場をニーズや属性によって細かく分類するプロセス。性別・年齢・地域・ライフスタイル・価値観など、切り口は多岐にわたります。

Targeting(ターゲティング)
セグメントの中から、自社の商品やサービスにとって最も魅力的で、アプローチすべき市場を選定します。

Positioning(ポジショニング)
選んだターゲット市場に対して、自社ブランドや製品を「どのような価値で」「他社とどう違うのか」を明確に打ち出すプロセスです。

STP分析で変わるマーケティングの視点

マスマーケティング時代は、「より多くの人に、一律のメッセージを届ける」ことが重視される傾向がありました。しかし、マスマーケティングにおいても、市場に問いかけるメッセージやコピーなどを考えるうえではペルソナ像の設定などターゲティングはおこなわれていました。

現在のように、情報があふれ、消費者が自ら情報を選び取る時代になり、さらにターゲティング配信が可能なネットメディアが発展した現在では、ターゲティングの役割はより重要になっています。

たとえば、同じ「健康志向」の商品でも、「ダイエットを意識している20代女性」と「生活習慣病を気にする50代男性」とでは、伝えるべき言葉もアプローチも大きく異なります。STP分析は、この「違い」を捉え、コミュニケーションの精度を高めることに大きく貢献します。

成功するための3つのポイント

セグメンテーションは“データ”から始める
顧客データや市場調査を基に、定量的な裏付けをもってセグメントを切り出すことが重要です。勘や経験だけに頼らないことが成功のカギです。

ターゲティングでは“選ばない勇気”も必要
全てのセグメントに手を出すのではなく、「誰に絞るか」を明確にすることが、結果として成果を高めます。

ポジショニングは“顧客視点”で描く
自社の商品が「何に役立ち、どう差別化されているか」を、顧客の言葉で語れるように整理しましょう。競合比較だけでなく、顧客の“心の中の地図”を意識することがポイントです。

この中で私が特に重要で有効と思っているのは「選ばない勇気」です。「ガチ勢を排除」とか「“安さ”では戦わない」とか「トレンドを追わない」などから成功したブランドは思いつきませんか?

エリアマーケティングとの関連性

エリア戦略とSTP分析は非常に深く関連しています。特に地域密着型のビジネスや実店舗を持つ事業、チラシ・DM・配達エリアなどを活用する販促では、エリアごとに異なる市場特性を踏まえたSTP分析が極めて重要です。

Segmentation(市場の細分化)
都市部 vs 郊外 vs 地方:ニーズも購買行動も異なる
商圏人口の年齢構成:高齢者が多い vs 子育て世代が多い
所得水準や住宅密集度:高級住宅街 vs 賃貸アパート街 など

Targeting(狙うべき市場の選定)
同じ市内でも、「チラシの反応率が高いエリア」に広告を集中投下
EC事業でも、購入頻度やLTVが高い地域を狙ってDM送付やリターゲティング広告を強化

Positioning(地域における自社の立ち位置)
地域住民にとって「どういう存在として認識されるか」を明確にする
たとえば、「地元に強い安心のリフォーム会社」、「この地域だけの特別価格」、「子育て世帯にやさしいスーパー」等です

このように考えると、STP分析は単なる戦略フレームではなく、地域ごとに異なる顧客を捉える道具として活用することで、エリア戦略を実効性のあるものにします。

新店出店のシミュレーション、チラシや新聞折込の配布計画、地域密着型のSNS運用、地域別LTV分析などを行う企業では、STP分析をベースにしたエリア別戦略設計が、売上や反響の差を大きく左右します。

まとめ

マーケティングの本質は「共感の設計」と考えると、STP分析を丁寧に行うことは、ただのマーケティング手法にとどまらず、顧客との最適な関係づくりの第一歩となります。この考え方はエリアマーケティングを行う上でも重要です。
届けたい相手に、最も伝わるかたちで価値を届ける──そのための道具としてSTP分析をぜひ実践に取り入れてみてください。

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