2024年07月03日更新
マーケティングコラム:戦略と戦術のお話
マーケティングにおける戦略と戦術は、ビジネス成功のための二つの重要な要素です。しかし、現実のビジネス環境では、どうしても目先の目標や短期的な成果が強調され、戦略的な考え方がおろそかになる傾向があります。このコラムでは、そのような背景を考慮しながら、戦略と戦術について考えてみます。
戦略と戦術
マーケティングには軍事で使われる言葉がよく使われますね。たとえば、本コラムのお題である戦略(Strategy)、戦術(Tactics)もそうですし、ターゲット、ロジスティックやキャンペーンなども軍事用語として用いられるものです。
戦略と戦術の理解のために、少し物騒ですが、戦略核と戦術核について意味を調べてみました。朝日新聞の記事を引用すると「戦略核は大陸間弾道ミサイル(ICBM)や原子力潜水艦、戦略爆撃機に搭載され、敵国本土への直接攻撃が目的だ。一方、戦術核は戦場での軍事目標など地域レベルの戦闘での使用を想定。戦略核に比べて射程や威力が劣る。」ということだそうです。
ここでの違いは、標的の大小、距離の長短、与えるダメージの大小などのようですね。
ビジネスにおける戦略と戦術もこのような事ではないかと思います。大きな方向性⇔小さな具体性、中長期的⇔短期的、大きな目標⇔小さな目標 みたいな感じでしょうか?
構想=戦略
どんな事業でも、瞬時に成功することはなく、中長期の時間が必要です。長い時間をかけて顧客にリピートしてもらいながら新規顧客を獲得していくための構想が必要です。構想=戦略ですね。
一方、短期的なPLや年間の営業計画などは戦術的な取り組みといっていいと思います。構想にくらべて、小さな目標であり規模も小さなものになります。ただし漠然としたものではなく高い具体性が必要です。
この具体性を追求するためにも、どの市場でどのようなポジションを獲得したいかという大きな構想(=マーケティング戦略)が必要になります。わくわくするような魅力的な戦略がないと、現場において良い戦術も生まれないと思います。
Why, What, How
マーケティング戦略の本を読むと、3CとかSTPとか4Pとか、いろいろなフレームワークがでてきます。3CとかSTPあたりまでが戦略的なもので、4Pは戦術的な取り組み・・・・みたいな話がありますが、その話はまたの機会にして、ここでは、Simon Sinekの提唱する「Why, What, How」という考え方を紹介します。
このフレームワークは、その仕事や組織の存在理由(Why)、提供する価値や目標(What)、そしてそれを実現する方法(How)を明確にすることで、より効果的なビジネス運営が可能になるというものです。
詳しい考察は抜きにして、かなり乱暴に簡単にいうと、Whyは戦略、Whatが戦術、Howが実行計画に当たると思います。さらに、このフレームワークの提唱者Simon Sinekはこのフレームワークについて書かれた著書の題名を「Whyから始めよ(Start With Why)」としています。肝心なのは、常に「Why(=戦略)から始めろ」ということです。
くそ忙しい時に、部下から「そもそも、この仕事なぜ(Why)やるんですか?」とか聞かれるとブチ切れそうになるかもしれませんが、この質問には答えられるように努力しないといけません。
まとめ
戦略を明確にするのは、主に経営層やマネージメント層の仕事になります。どうしても現場は戦術的な課題に追われています。もちろん経営層も決算に向けた数字や株主からのプレッシャーで戦術的な方向に目が行きがちです。
このような、マーケティング戦略や戦術の構築スキルについてはマーケティング部門だけではなく、広くビジネスパーソン全般に必要なものです。
お前に言われなくても・・・・というお叱りをうけるかもしれませんが、特に経営層やマネージメント層の方々には、現場の戦術的な働きがよい成果に結びつくように、魅力的な戦略作りが重要です。
また我々もお客様から依頼を受ける仕事や、社内で発生する課題等のほとんどが戦術的なものです。ただし、どんな戦術の企画や課題においても戦略性は必要だと思っています。お客様から求められていなくても、自分なりに背景となる戦略をあれこれ想定しながら、具体的な提案や課題解決に取り組むように心がけています。
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