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2024年09月19日更新

マーケティングコラム:ブランディングと販促のお話

マーケティング戦略を考える際、販促(販売促進)とブランディングは2つの大きな柱となります。どちらもビジネスの成功に欠かせない要素ですが、その役割や効果が異なります。ブランディングは中長期的なブランド価値の向上を目指しますが、販促は即効性のある短期的な利益を追求します。

本コラムでは、この2つの側面を比較しながら、それぞれの特徴と企業戦略における重要性を探ります。

ブランドについて考えてみる

ブランドとはどんなものか
ブランドとは、単に商品やサービスに付けられた名前やロゴではなく、消費者にとってその企業や製品が持つ独自のイメージや信頼性を指します。つまり消費者の頭の中に形成されるものです。
顧客が特定の商品やサービスを思い浮かべるときに感じる感情や価値観が、ブランドの本質です。例えば、Appleというブランドは「革新性」や「高品質」というイメージと共に認知されています。

ブランド価値とは
ブランド価値とは、そのブランドが持つ独自の認知や信頼、顧客との強固な関係性によって生み出される無形の資産です。高いブランド価値を持つ企業は、価格競争に巻き込まれることなく、安定した収益を上げやすくなります。ブランド価値は、顧客が感じる「信頼感」「品質」「希少性」などの要素によって形成されます。「エルメス」も「ユニクロ」も「夢グループ」も全部それぞれのブランド価値をもっています。

販促とブランディング

即効性を求める販促と中長期で効果が持続するブランディング
販促活動は、短期的な売上向上を目指して行われるものであり、クーポンや割引キャンペーンなど、顧客に即座に行動を促す施策が中心です。
一方、ブランディングは長期的な視野でブランドの認知度や信頼性を築き、顧客との関係を深めることを目的としています。ブランディングは時間をかけて価値を高める活動であり、販促とは異なる目標を持っています。

利用するメディアの違い
販促とブランディングでは利用するメディアにも違いがあります。
販促は即時効果を期待するため、SNS広告や連動型広告、Eメールキャンペーンなど、ターゲットにダイレクトにアプローチできるメディアを活用します。古くから利用されている折込チラシや看板、交通広告などのOOHメディアもセール開始の朝に家庭に届くことや、買い場(店舗)に近い場所でアプローチするなど即効性が期待できるメディアです。

一方で、ブランディングは、マスメディアへの広告出稿、ウェブサイトやブログ、YouTubeなど、ブランドのストーリーや価値を伝えるためのプラットフォームが重視されます。特に長期的に信頼を築くためのメディアが選ばれることが多いです。

コンテンツの作り方の違い
販促コンテンツは、すぐに購入や行動を促すために、分かりやすく短期間で結果が出やすいものが中心です。たとえば、セール情報やクーポンコード、タイムセールの案内が含まれます。
一方、ブランディングにおけるコンテンツは、ブランドの価値観やストーリーを伝える内容が中心となります。例えば、企業のビジョンや理念、製品に込めた思いを伝える記事や動画がこれに当たります。

注意!販促がブランディングにネガティブな影響をもたらす例

販促活動は短期的な売上増加を狙って行われますが、やり方次第ではブランドのイメージや信頼性に悪影響を及ぼすことがあります。以下に、その主な原因と具体例を挙げてみます。

過度な値引きによるブランド価値の低下
頻繁に値引きや割引キャンペーンを行うと、顧客は「このブランドは常に安売りしている」と認識してしまう可能性があります。特に高級ブランドや、品質の高さを強調しているブランドが過度に値引きを行うと、ブランドの価値が損なわれ、「割引しないと売れない商品」という印象を与えることになります。

一貫性のないメッセージング
販促活動において、ブランドが掲げるメッセージや価値観と矛盾する内容のキャンペーンを展開すると、顧客の混乱を招き、信頼が揺らぎます。例えば、環境に配慮したサステナブルなブランドが、大量消費を促すようなプロモーションを行うと、ブランドのメッセージが一貫していないと感じられ、信頼性が低下します。

ターゲット層とのズレ
販促活動がブランドのターゲット層と一致しない場合、ブランディングに悪影響を与えることがあります。例えば、ブランドが狙っている高所得者層やラグジュアリー層向けの商品に対して、大衆向けの安価なプロモーションを行うと、既存の顧客層にとってのブランドの魅力が低下する可能性があります。また、デジタル広告でターゲティングの精度が低いことで「うざい」広告としてブランドを損ねることもよく聞きます。

日々の販促活動が結果的にブランドを作り上げる

ブランディングとして特別なことをせずとも、日々の販促活動が結果的にブランドを作り上げることは十分に考えられます。実際、多くのブランドが、日々の小さな販促活動や顧客とのやり取りを積み重ねることで、最終的に強固なブランドを構築しています。

以下のような点に注意して、日々の販促活動を行うことによってブランディングに役立つと思います。キーワードは一貫性ではないかと私は思います。

一貫したメッセージングと体験の積み重ね
毎日の販促活動が、ブランドメッセージや価値観を顧客に繰り返し伝えることで徐々にブランドイメージが形成されていきます。たとえば、「健康志向」や「サステナビリティ」を強調しながら販促を行う等は一般的ですが、「スーパー玉出」や今話題の「夢グループ」のように日々の販促活動の積み重ねだけで「親しみがある」「庶民的な」「安い」のようなイメージのブランドが形成されている例もあります。

リピーターを生み出す販促活動
日々の販促活動を通じてリピーターを生み出すことは、ブランド構築にとって重要です。リピーターは、ブランドに対する信頼が強く、ブランドのアンバサダーとしても機能することがあります。現代ではこのようなロイヤリティの高い顧客がSNSで情報を拡散させることでさらに販促効果が高まる例もあります。

一貫性のあるブランド体験
日々の販促活動が一貫していると、顧客はそのブランドに対して予測可能で信頼性のある印象を抱き、ブランドの認知度と信頼が徐々に積み上げられていきます。販促活動に使うコンテンツのトーン&マナーの一貫性などは重要なポイントです。

強いブランドを持つと販促も楽になる

ブランド価値が高い企業は、販促活動がより簡単で効果的になります。ブランド価値が確立されていると、顧客は商品やサービスの価格よりもそのブランドの価値を重視し、購入する傾向があります。結果として、値引きや特別なプロモーションに頼る必要が減り、ブランドの本来の価値を訴求するだけで十分に顧客を惹きつけることが可能になります。

たとえば、AppleやNikeなどの強力なブランドは、大規模な割引をしなくても、ファンが熱心に商品を購入し続けます。ブランド価値が高ければ高いほど、販促活動にかけるリソースが少なくなり、長期的に安定した利益を得やすくなります。

まとめ

ブランディングと販促は、異なる役割を持ちながらも、どちらも企業の成長に欠かせない要素です。販促は短期的な売上を支える一方で、ブランディングは長期的なブランド価値を構築し、企業を市場で強固な地位に導きます。

企業では、短期的な売上を上げたい場面は多くあって、ついついブランドを棄損するような過剰な販促をしがちですが、販促活動がブランド価値を損なわないように注意しながら、両者をバランスよく取り入れることが重要です。その場合に大切なことは企業理念やブランドの価値を体現する「一貫性」をもったデザインやメッセージです。

当社では、お客様の企業のビジョンやブランドとの整合性を考えた販促プランの提案を行います。もちろんブランディングの相談もお待ちしていますので、是非お問合せください。

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