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2024年08月01日更新

サードパーティーCookieの廃止の撤回?

今回は、若干マニアックな内容の記事ですが、Googleが2024年7月23日に発表した「サードパーティーCookieの廃止の撤回」についてのコラムです。

2024年7月23日、Googleは公式ブログにて、これまで予定されていたChromeにおけるサードパーティCookieの段階的廃止を断念し、継続利用していくことを宣言しました。これは、2020年1月に発表された当初の計画から2年以上の延期、そして2023年12月と2024年4月の2度の延期を経ての最終的な決定となります。

Googleの発表はこちらです。(英語です)
A new path for Privacy Sandbox on the web

これまでの経緯は以下の通りです。
• 2020年1月: Googleは、プライバシー保護強化のため、2年以内にChromeブラウザでサードパーティCookieを廃止すると発表しました。
• 2022年7月: 延期を表明し、廃止時期を2024年後半に変更。
• 2023年12月: さらに延期し、2024年末までの段階的廃止を予定。
• 2024年4月: 3度目の延期を発表。
• 2024年7月23日: 継続利用を宣言。(いまここ)

今後の展望

これまでの間、Googleは代替案として「Privacy Sandbox」と呼ばれる新たな仕組みを開発・提案してきましたが、業界や規制当局からの合意形成に課題が残る状況でした。
Googleは、継続利用にあたって以下の取り組みを進めていくことを表明しています。

  • プライバシーサンドボックスの強化: プライバシー保護と広告主のニーズの両立を目指したソリューションの開発を継続。
  • 業界との連携: 関係者と協力し、より効果的なプライバシー保護と広告エコシステムの構築に取り組む。
  • 透明性の向上: ユーザーにとって分かりやすい情報提供と、Cookieに関する設定を強化。

Privacy Sandboxって?

Privacy Sandboxは、Googleが主導する、ユーザーのプライバシー保護を強化しながら、ウェブとAndroidアプリにおける広告配信やトラッキングを可能にするための取り組みです。

Sandboxは日本語でいうと砂場。子供が安全に遊べる場所という意味から、ITの世界ではソフトウェアやアプリケーションのテストを行うための外部と切り離された安全な環境という意味で使われることがあります。このような意味からの連想で、個人情報を一定の範囲で安全に活用するという構想を表しているのではないかと思います。

ただし、当初2022年末を予定していたPrivacy Sandboxの機能が代替案として十分な成熟度に至っておらず、また広告主やパブリッシャーなどの関係者におけるPrivacy Sandboxへの対応が進んでいないことから円滑な移行は困難な状況のようです。

個人的には、ブラウザーにおいて大きなシェアをもち、世界最大のアドネットワークを運用するGoogle社が作る仕組みをつかって、広告市場において公正な競争環境が担保されるのかという点も気になります。

では、どうすればいいの?

今回のニュースは、「現状維持」ということで、これによって現在のインターネットで何かが変わるわけではありません。ニュースで大きく扱われてはいますが、インターネットを利用する、Webサイトを見る立場では、しばらく静観していても差し支えありません。

ただ、Cookieの制限により、サードパーティCookieによるターゲティングでは、リーチできる広告枠が半減しているのが現状です。サードパーティCookieによる精度の高いターゲティングと、全数へのリーチのどちらを優先すべきか、これは広告主にとって非常に悩ましい問題です。

メリットデメリット
Cookieによる精度の高いターゲティング高いコンバージョン率: 興味関心の高いユーザーにピンポイントで広告を表示できるため、コンバージョン率向上に繋がりやすい。
費用対効果の向上: 不必要なユーザーへの広告表示を抑制できるため、広告費の無駄遣いを防ぎ、費用対効果を高めることができる。
ブランドイメージの向上: ターゲット層に合わせた適切な広告を表示することで、ブランドイメージ向上に貢献できる。

リーチの減少:リーチできるブラウザー数が少ない
全数へのリーチの手法広い層へのアプローチ: Cookieが利用できないユーザーにもリーチ可能。
ブランド認知度の向上: 広範囲なユーザーにブランドを認知させることができる。
ブランドイメージの低下: ターゲット層と合致しないユーザーに広告が表示されることで、ブランドイメージを損なう可能性がある

Cookieによる精度の高いターゲティングのメリットは大きいですが、現状でサードパーティCookieが制限されているブラウザーが半数程度ある状況では、この手法だけに頼るわけにはいきません。

今後の方針としては、よくあるポストCookieの話に似たものになるかと思いますが、ファーストパーティデータの利用、Privacy Sandboxのような代替技術の活用、オンライン広告だけに頼らずオフラインの広告と組み合わせて全体のプランニングを行う、さらに、いろいろな手法やチャンネルについて結果を比較し最適な組み合わせを探るという戦略になると思います。

広告の目的や取り扱うサービスや商品によっても、最適なメディアの組み合わせは変わってきます。オフラインからオンラインまで幅広く検討できる当社に是非ご相談ください。

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