2025年01月16日更新
リテールメディアの今後
2025年最初の記事です。私たちの会社は長年新聞折込広告を取り扱ってきましたが、折込広告の広告主様の約半分は、スーパーマーケットやドラッグストアなどの小売業の広告主様です。本コラムでは、これらの小売業のお客様がどのようにメディアを活用されているのかを確認し、注目されているリテールメディアの今後について考えてみます。
小売業と一口で言っても、百貨店、スーパー、ドラッグストア、ホームセンター、家電量販などもありますし、酒の量販、専門店など様々ですが、皆様もイメージしやすいものとして、スーパーマーケットを例に考えてみます。
利用しているメディアを俯瞰してみる
利用しているメディアを、①デジタルかアナログか、②ペイドメディアかオウンドメディアか の視点で俯瞰してみました。
アナログ・ペイドメディア
まず、アナログのペイドメディアでは、新聞折込チラシです。新聞購読者が減少しているために、リーチが減ってきていますが、依然として流通業にとってはメインの媒体になっています。
デジタル・ペイドメディア
デジタルのペイドメディアでは、電子チラシが中心だろうと思います。一般的なデジタル広告のようにリスティング広告やディスプレイ広告などはあまり使われてなく、電子チラシは紙のチラシの補完媒体として広く利用されています。
アナログ・オウンドメディア
店頭ポップや掲示物など、店舗そのものをメディアとして活用することで、買い物を楽しんでもらおうという考え方です。購買直前のタイミングでコミュニケーションできる手段ですので、効果も期待できます。
味のある手書きPOPや、最新のデジタルサイネージなども注目されています。
デジタル・オウンドメディア
この領域は公式アプリや、自社のSNSチャンネルなどが中心になります。これまで、リピート購買を促すために発行していたポイント会員カードがスマホアプリに置き換えられて進化しています。ポイント発行の他に、プッシュ型の情報発信や、クーポンの発行、電子マネーの取り扱いなどデジタルならではの機能が充実していっています。
リテールメディア
最近リテールメディアという言葉をよく耳にします。リテールメディア(Retail Media)は、小売業者(リテーラー)が所有する販売チャネルやプラットフォームを活用して提供される広告やマーケティングの枠組みを指します。つまり、先ほどのデジタルのオウンドメディアの部分に該当し、その中心になるのは店舗公式アプリです。
リテールメディアの特徴としては、①小売業者が持つ資産を活用すること、②購買行動に直結しやすいこと、③高精度なターゲティングがあげられます。
デジタル化されたアプリにより、顧客のデモグラ情報、購買履歴、来店履歴などを1stパーティデータとして蓄積できるようになった小売業者が、パーソナライズされた情報提供を行うような仕組みを構築しつつあります。
もちろん、小売り業者にとって強力な販促手段として有効だと思いますが、このデータや情報提供は、小売業者に売ってもらっているメーカーにとってもかなり魅力のある仕組みだと思いませんか?
実際に、店舗公式アプリの中には、広告枠がもうけられていて、データを元にターゲティングされた広告配信がなされています。ニュースアプリの中に広告枠があるのと同じですね。そう考えると店舗公式アプリは外部から見ると広告媒体です。
また、スマホと店内のサイネージなどが連携することがあれば、店内にいるお客様に応じてサイネージのコンテンツがコントロールできる可能性もあります。
そして、最も重要なことは、情報提供、接触の様子、購買まですべてのデータが取得でき、即時に効果を検証できることです。
まとめ
小売業の皆様では、リーチが減ったにもかかわらず、折込広告をメインの広告媒体として利用されてる広告主様はまだまだ多いです。電子チラシなどの補完メディアも活用されていますが、一方で公式アプリを中心とするリテールメディアは急速に発展しています。さらに、インスタグラムなどSNSチャンネルの運用などを通じてファンを増やすようなマーケティングも重要視されています。
折込広告を取り扱っている当社としては、折込が減った分の予算配分には注目していますが、単純に他の広告枠に予算が配分されるわけではなく、リテールメディアを中心として新しい媒体が誕生するという見方をしたほうが良いと思っています。
リテールメディアを中心として、またインストアメディアとの連動などを通じて小売業がどのように変化していくのか非常に興味がありますが、またの機会に深堀していきたいと思います。
本年もよろしくお願いいたします。
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