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2025年01月30日更新

風呂キャンセル界隈って知ってますか?

「界隈(かいわい)」という言葉は、場所や分野の周辺という意味で、例えば場所を表すときに「銀座界隈のレストラン」という使い方や、ある分野や業界を指す使い方としては「IT業界界隈」などの使われ方が一般でしたが、近年はこれとは異なる新しい使われ方が増えています。

かつての消費者は、大衆向けのテレビCMや新聞広告、雑誌などを通じて新商品を知り、購買行動を起こしていました。しかし、SNSが主流になった現代では、消費者がどこで情報を得て、何をきっかけに購入を決めるかが大きく変化しています。

特にZ世代(1990年代後半〜2010年代前半生まれ)では「界隈消費」という新たな消費行動が生まれています。この概念は、博報堂とSHIBUYA109 lab.によって提唱されたもので、特定の趣味や価値観を共有する“界隈(コミュニティ)”の中で情報が拡散され、購入が促される現象を指します。若い世代では、SNS上の小規模なクチコミが、従来の広告以上の影響力を持つ時代になったのかもしれません。

界隈消費の特徴

界隈消費のポイントは以下の3つです。

「推し」が消費を動かす
かつての消費行動は機能や価格に基づく合理的な判断が中心でした。しかし、界隈消費では「自分の推し(アイドル・アニメ・ブランド・クリエイターなど)」を応援することが重要な動機となります。そのため、特定のブランドや商品が界隈で話題になると、一気に消費が拡大します。

SNSのアルゴリズムが界隈を形成する
従来のファンコミュニティは、自発的に集まることで形成されました。しかし、現在はSNSのアルゴリズムが「興味がありそうな投稿」を自動的におすすめすることで、意図せずして界隈の一員になることが多くなっています。例えば、あるファッションブランドの投稿を一度「いいね」すると、その関連情報が継続的に流れてきて、自然と界隈に取り込まれるのです。

一過性ではなく、継続的なエンゲージメント
一般的な広告は短期間で結果を出すことが求められますが、界隈消費では「推し続けてもらうこと」が重要です。企業は、単発の広告ではなく、定期的な情報発信やイベント、コラボレーションなどを通じて、界隈と長期的に関わる必要があります。

ちなみに、具体的な界隈には、こんなものがあります。オタク界隈、投資界隈、筋トレ界隈、炎上界隈、料理界隈、ガジェット界隈、旅行界隈、風呂キャンセル界隈・・・。

分からない方はググってください。

界隈消費で成功したマーケティング事例

スターバックスの「映える」限定ドリンク
スターバックスは、SNS映えする期間限定ドリンクを発売することで、「カフェ好き界隈」や「トレンド好き界隈」での話題化を成功させています。特にZ世代がインスタグラムやTikTokでシェアすることを前提にデザインされた商品は、界隈内での拡散力を持ち、毎回即完売することも珍しくありません。

無印良品の「シンプルライフ界隈」への訴求
無印良品は、シンプルなデザインとミニマリズムを前面に押し出し、「シンプルライフ界隈」や「エコ・サステナビリティ界隈」の共感を得ています。SNSでの「#無印良品のある暮らし」投稿が拡散されることで、新規顧客の獲得にもつながっています。

GUのZ世代向けインフルエンサー施策
GUは、Z世代のインフルエンサーやTikTokerとコラボし、彼らの着こなしを通じて商品を界隈内に浸透させています。フォロワーが「推しインフルエンサーと同じ服を着たい」という動機で購入し、さらにその着用画像を拡散することで、より大きな消費の波を生み出しています。

界隈消費を活かしたマーケティング戦略

では、どうすれば界隈消費を活かしたマーケティングができるのでしょうか? 具体的な戦略として、以下の3つが挙げられます。

界隈を見極め、狭く深くアプローチする
まずは、自社の商品やブランドがどの界隈と相性が良いのかを分析しましょう。たとえば、コスメブランドなら「韓国コスメ好き界隈」、アウトドアブランドなら「ソロキャンプ界隈」など、狙うべき界隈を特定し、その中で影響力のあるユーザー(インフルエンサー)と協力すると効果的です。

コミュニティを巻き込むコンテンツ作り
界隈消費は「共感」がカギとなるため、ユーザーが参加できるコンテンツを用意しましょう。例えば、フォロワーに投稿を促すハッシュタグキャンペーンや、ユーザーの意見を取り入れた商品開発などが効果的です。

単発ではなく長期的な関係構築
一度話題になっただけでは、界隈の支持を維持できません。継続的な発信やイベントを通じて、界隈とのエンゲージメントを深める施策を講じることが重要です。

まとめ

若者をターゲットとするマーケティングにおいては、従来の「企業が発信し、消費者が受け取る」一方通行型のアプローチではなく、「消費者同士が広め合う」ことを前提とした戦略が求められます。つまり、企業は単に「売る」のではなく、「界隈の一員として共に楽しむ」姿勢が重要になります。

若年層向けの市場で成功するためには、マス広告だけに頼るのではなく、特定の界隈に寄り添った戦略を取り、共感を生むマーケティングを展開することが不可欠です。

このコラムでは、メーカーやSPAの取り組みの例を紹介しましたが、リテールの売場づくりや販促にも有効な概念だと思います。

※アイキャッチ画像は博報堂様のレポートより引用させていただきました。
https://www.hakuhodo.co.jp/news/info/113099/

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