2023年12月05日更新
クッキー規制とその対策
このシリーズは、主に初級者の方向けにWeb広告に関連する話題をとりあげます。
なんとなく知っているつもりでも、実はあまりよく知らないといった内容を、3分で読めるようなボリュームで記事を作っていきます。幅広い方にお読みいただければ嬉しいです。
第4回目は、「クッキー規制とその対策」です。
クッキー規制の現状
近年、クッキー使用の規制が世界各国で強化されています。これは、ユーザーのプライバシー保護を目的とする動きで、デジタルマーケティングを行う企業にとっては新たな課題となっています。
特にEUではGDPR(一般データ保護規則)のもとで、個人情報を尊重し、利用者の同意なしにクッキーを使用することが厳しく規制されています。この動きは、ビジネスを国際展開していく企業にとっては無視できない事態となっています。
クッキー規制とは?
「クッキー」とは、ウェブサイトがユーザーのブラウザに保存する小さなテキストファイルのことを指します。
本来このクッキーを使うことにより、ウェブサイトの利用履歴や入力した情報などを記録し、個々のユーザーに対する提示内容を最適化することによって、より良いユーザー体験を実現するサイトを構築することができます。
ところが、サードパーティークッキーと呼ばれる訪問Webサイト以外のサイト(例えば広告会社)によって発行されたクッキーを使ってユーザーの行動を追跡する手法が広まってきました。これがプライバシー侵害にあたるとして問題視され、クッキーの規制が進んでいます。
クッキー規制の影響
クッキー規制の強化は、特にパーソナライズされた広告配信やリターゲティングなど、クッキーに依存した広告配信に大きな影響があります。規制が強まるにつれ、これまでのようなマーケティング手法を継続することは困難になるでしょう。
特に規制が厳しいApple社の「Safari」ブラウザでは、既にサードパーティーCookieは全面ブロックされています。他のブラウザでも制限が進むことは止められないと思います。
業界の対応と新たな方法
規制が進むなかで、新たな解決手段が模索されています。一部の企業はファーストパーティクッキー、つまり自社サイトでのみ収集・利用する情報にシフトしています。これにより、直接ユーザーから同意を得た上で、パーソナライズされた情報提供や広告配信が可能となります。
また、匿名性を保ちつつユーザーの興味や行動を把握する新たなテクノロジーも開発されています。これらは個々のユーザーを特定するのではなく、一定の属性や行動傾向を有する「セグメント」に対して情報を提供する形です。
まとめ
クッキー規制は確かにデジタルマーケティングに対する大きな課題ですが、それを機に新たな戦略やテクノロジーを検討するきっかけにもなります。
過度にパーソナライズされたターゲティング配信方式が見直され、(誰に表示するかよりも)どんな文脈でどこに表示するかという考え方から、再び広告枠そのものの価値も見直される可能性もあると思われます。
クッキー規制を単に困難な状況と捉えるのではなく、新たな機会として捉え、戦略的対応を考えていきましょう。
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