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2026年03月31日更新

「日本の広告費2025」から読み解く広告市場の変化

日本の広告費とは

毎年春になると、広告業界で話題になるのが、電通が発表する「日本の広告費」です。
これは、日本国内で1年間に使われた広告費の総額を推計した調査で、広告業界では長く市場動向を示す指標として参照されています。

 

広告費は主に、次の3つのカテゴリーに分類されます。

  • マスコミ四媒体広告費(新聞・雑誌・ラジオ・テレビ)
  • インターネット広告費
  • プロモーションメディア広告費(折込、交通広告、屋外広告、DMなど)

 

広告市場の規模やメディア構造の変化を俯瞰できるデータとして、広告業界やマーケティング分野で広く活用されています。
なお、マスコミ四媒体広告費とインターネット広告費には、媒体費だけでなく広告制作費も含まれています。

日本の広告費は過去最高を更新

図1:日本の総広告費の推移

出典:電通「2025年 日本の広告費」

電通が発表した「2025年 日本の広告費」によると、日本の総広告費は8兆623億円(前年比105.1%)となり、2021年から5年連続で成長、4年連続で過去最高を更新しました。

図2:媒体別広告費<2023年~2025年>

出典:電通「2025年 日本の広告費」

デジタル広告が過半数へ

ついに広告費の過半数をデジタル広告が占める結果となりました。
インターネット広告費は4兆459億円となり、広告費の50.2%を占め、マス四媒体広告費は約2.3兆円、折込や屋外広告などのプロモーションメディア広告費は約1.7兆円となっています。
急激な変化というより、ここ数年続いてきたデジタルシフトの流れが一つの節目を迎えたと言えるでしょう。

インターネット広告費が拡大している背景には、生活者のメディア接触の変化があります。
スマートフォンの普及により、情報収集や購買行動の多くがスマートフォンを起点に行われるようになりました。
広告投資もその流れに合わせ、デジタル媒体へとシフトしています。また、動画広告の拡大も大きな要因です。
SNSや動画配信サービスの利用が日常化する中で、広告フォーマットもテキストやバナーから動画へと広がっています。
さらに近年は生成AIの進化により広告制作の環境も変化し、クリエイティブ制作や運用の効率化が進んでいます。
こうしたスマートフォン、動画、AI制作といった要素が重なり、デジタル広告市場の拡大を支えています。

マス四媒体について

テレビ、新聞、雑誌、ラジオといったマス四媒体広告費は2兆2,980億円(前年比98.4%)となり、緩やかな減少傾向ではあるものの、依然として大きな市場規模を維持しています。
なお、TVerやOTT、CTV広告などテレビ局が提供する動画広告は「インターネット広告費」に含まれており、マス四媒体広告費とは別に計上されています。
テレビ広告は放送枠だけでなく、動画配信へと拡張しながら新しい形で存在感を保っています。一方で、新聞広告は減少傾向が続いています。こうした動きの背景には、メディアごとの役割の違いもあると考えられます。

媒体主な役割
テレビブランド広告
新聞情報広告

テレビは主にブランドイメージを形成する広告媒体として活用される一方、新聞が主に担ってきた情報広告の役割は、検索広告やEC、SNSなどデジタルメディアへと移行しているとも言えるでしょう。

プロモーションメディアの役割

折込やDM、屋外広告などを含むプロモーションメディア広告費は1兆7,184億円(前年比102.0%)となりました。マス四媒体やインターネット広告とは異なり、このカテゴリーには広告制作費は含まれていませんが、それでも1兆円を超える市場規模を持っていることは、プロモーションメディアが企業の販促活動において重要な役割を担っていることを示しています。

折込広告は新聞広告の一部として語られることもありますが、実際には商圏内の生活者に直接アプローチし、来店や購買を促す販促メディアとして活用されてきました。企業のマーケティング活動において、生活圏の中で行動につながる接点をつくるメディアとして、現在も重要な役割を担っています。

インターネット広告媒体の詳細分析について

図3:インターネット広告媒体費の広告種別×取引手法別構成比

出典:電通「2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析」

電通が発表した「日本の広告費(インターネット広告媒体費 詳細分析)」によると、2025年のインターネット広告媒体費は3兆3,093億円となり、過去最高を更新しました。特に広告種別では動画広告が前年比121.8%の1兆275億円と初めて1兆円を突破し、市場の成長をけん引しています。
一方で電通はソーシャル広告の存在感にも注目しています。市場規模は1兆3,067億円で、インターネット広告媒体費の39.5%を占める規模。つまり、インターネット広告の約4割がソーシャル上で流通しているという見方もできます。

動画広告の伸長は他の広告種別との比較でも理解しやすいですが、ソーシャルについては「他の媒体がどの程度の規模なのか」という視点も併せて見てみると、市場構造がより立体的に見えてきそうです。
デジタル広告市場は、広告種別・取引手法・掲載プラットフォームが重なり合う形で拡大しています。
今回のレポートは、その構造変化をあらためて感じさせる内容でした。

まとめ

日本の広告費を見ると、日本の広告市場はインターネット広告を中心に拡大を続けています。スマートフォンの普及や動画広告、ソーシャルメディアの利用拡大などを背景に、企業の広告投資はデジタル領域へと広がっています。一方で、テレビや新聞、雑誌、ラジオといったマス四媒体は、長年にわたり社会の情報流通を支えてきた基盤的な存在であり、現在も大きな広告市場を形成しています。

また、折込やDM、屋外広告などのプロモーションメディアは、地域や生活圏の中で生活者と接点をつくり、来店や購買といった行動につながる役割を担っています。
デジタル広告が生活者との接点を広げ、伝統メディアや地域メディアが信頼や行動につながる接点をつくる。それぞれの特性を生かしたメディアの組み合わせが、広告効果を高めていきます。

「日本の広告費」は、こうした広告市場の構造や変化を俯瞰できるデータとして、広告やマーケティングを考えるうえで重要な指標となっています。市場規模の推移だけでなく、メディアの役割や広告の使われ方の変化を読み解くことで、これからのマーケティングの方向性も見えてきます。

広告市場の変化は、企業の販促活動のあり方にも少しずつ影響を与えています。
当社では、こうした広告市場の動向も踏まえながら、各種広告媒体やイベント施策などを含めた販促活動のご相談を承っています。
広告の活用方法や販促企画についてお悩みの際は、ぜひお気軽にお問合せください。

参考資料