2024年01月10日更新
デジタル広告 昨年の振り返りと今年の展望
あけましておめでとうございます。
2024年もM-POCKETをよろしくお願いいたします。
新年最初のコラムでは、デジタル広告分野の大きな話題を振り返りながら、今後の展望について考えてみたいと思います。
昨年のデジタル広告にまつわる大きな話題として、以下のものをリストアップしてみました。
- サードパーティークッキー(3rd Party Cookie)の制限
- CTV広告の拡大
- ファーストパーティデータの活用
- 広告効果測定の進化
これらの背景には、2018年にEUで制定されたGDPR(一般データ保護規則、General Data Protection Regulation)からの個人情報保護の流れがあります。その中で2023年はサードパーティークッキーの制限の影響が顕在化しデジタル広告の流れが大きく変わり始めた年であったと思います。それらを踏まえ今後の傾向について考えてみました。
昨年に起きたデジタル広告分野の大きな話題
昨年に起きたデジタル広告分野の大きな話題としては、以下のようなものが挙げられます。
1 サードパーティークッキー(3rd Party Cookie)の制限
いち早くサードパーティークッキーをブロックしていたApple社のSafariに続き多くのブラウザがサードパーティークッキーの制限に追随しました。サードパーティークッキーは、ユーザーの行動履歴を収集して、広告配信に活用する技術です。サードパーティークッキーの廃止により、広告主はユーザーの行動履歴をより精度高く把握することが難しくなりました。
2 CTV広告の拡大
インターネットに接続されたテレビ端末(Connected TV)の普及に伴い、CTV広告の市場規模が拡大しています。CTV広告は、テレビ番組の視聴データや、ユーザーの属性や興味関心に基づいたターゲティング配信が可能です。
3 ファーストパーティデータの活用
サードパーティークッキーの制限により、ファーストパーティーデータの活用が重要になっています。ファーストパーティーデータとは、自社で収集したユーザーデータ(顧客データやログデータなど)を指します。ファーストパーティーデータは、ユーザーの同意を得て収集する必要がありますが、ユーザーの行動履歴をより精度高く把握することができます。
4 広告効果測定の進化
広告効果をより正確に測定するための技術や手法が進化しています。機械学習やAIを活用した広告効果測定が注目されています。
サードパーティークッキー制限の影響
これらすべてに共通する背景としては、1に挙げた「サードパーティークッキー(3rd Party Cookie)の制限」です。オーディエンスターゲティングにかげりがでてきたことで、3の「ファーストパーティーデータの活用」が注目され、また、再び広告面やコンテキスト(文脈)が重要視されるようになってきました。
4の「広告効果測定の進化」においても、ネット上の行動以外にもID-POSデータなどを併用したリアル店舗への来店行動や購買データを利用した効果測定も提案され始めています。
2の「CTVへの広告配信」は、ユーザーが視聴している番組の傾向に応じて、また今見ている番組の内容に応じて広告配信が可能です。これはCTVプラットフォームの持つファーストパーティーデータが活用されている例です。
ファーストパーティーデータを利用した広告
ファーストパーティーデータを利用した広告には、CTVの他にも以下のようなものがあります。
■リテールメディア
リテールメディアとは、小売店や流通業者、EC事業者などが媒体となって提供するメディアです。店舗に設置されたデジタルサイネージや、アプリ内広告、オンラインモールなどの広告配信が拡大すると予想されています。
これらのメディアは、ユーザーの購買履歴や行動履歴などのファーストパーティーデータを活用したターゲティング配信が可能です。オムニチャネル化を進めているリテールでは、ECサイトでの行動もリアル店舗の広告配信に利用できます。
■SNS広告
SNS広告は、登録された個人のプロファイルや自己紹介データや、SNSプラットフォーム上でのユーザーの行動データをファーストパーティーデータとして利用できますので、ユーザーの属性や興味関心に基づいたターゲティング配信が可能になります。例えば、あるSNSで、ファッションに関する投稿をよくするユーザーに対して、ファッションブランドの広告を配信するといったケースです。
まとめ
リスティング広告とディスプレイ広告を中心としたデジタルマーケティングは依然として広く行われていますが、今後の傾向としは、アドネットワークやDSPによるオーディエンスターゲティングの先行きは少し不透明です。
これまでの「広告枠から人へ」の方向に進化してきたデジタル広告が、GDPRの影響などもあり再び広告枠への注目が高まっていくのではないかと考えています。
そのように考えると、オムニチャネル化が進んだリテールデータを利用した広告、アマゾンなどの巨大なECプラットフォームへの配信、SNS広告などを戦略的に組み合わせたプランニングが重要になってくるのではないかと思います。
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