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2025年04月21日更新

「AS-IS / TO-BEフレームワークでマーケティングを再設計する

企業が直面する市場の変化は、どんどん加速しています。競合環境、消費者行動、メディア接点、テクノロジーは目まぐるしく進化し、昨日までの成功法則が今日には通用しなくなることもしばしば。そんな不確実性の時代において、マーケティング活動を見直すための有効な手法の一つに「AS-IS / TO-BEフレームワーク」があります。

AS-IS / TO-BEとは何か?

AS-IS(アズ・イズ)は「現状」、TO-BE(トゥ・ビー)は「あるべき姿」または「理想の状態」を意味します。
このフレームワークは、「今どのような状態にあるのか(AS-IS)」を正確に把握し、「将来的にどうありたいのか(TO-BE)」を明確にすることで、そのギャップを埋めるための施策を導き出す思考法です。

もともとは業務改善やIT導入などの分野で用いられてきましたが、マーケティング分野でも有効に機能します。

マーケティングにおけるAS-IS / TO-BEの使い方

以下に、マーケティング活動にAS-IS / TO-BEを適用する際のよくある視点をまとめてみました。

AS-IS(現状分析)
ターゲット顧客の理解度
ブランド認知度・イメージ
各チャネル(Web、SNS、リアル)の成果状況
顧客接点の設計と運用体制
自社の強み・弱み

TO-BE(理想像の定義)
どのような顧客体験を提供したいのか
どんなブランドポジションを目指すのか
顧客との関係性をどう深化させたいのか
成果を測るKPIは何か
マーケティング組織はどうあるべきか

ギャップ分析と戦略策定
「現状の広告運用は断片的」→「統合されたオムニチャネル戦略へ」
「ブランドが価格優位でしか認識されていない」→「価値訴求によるポジショニング再構築」
「属人的な営業任せ」→「データドリブンなリード育成体制へ」

みたいなイメージです。

たとえば、M-POCKTを始める際に当社のなかでは、以下のような認識がありました。

AS-IS:
営業マンによる人的販売が主力。
デジタルマーケティングはほぼゼロ。
顧客の声を吸い上げる仕組みがない

TO-BE:
デジタルマーケティングを活用したリードの獲得
人的営業の一本足打法からの脱却
メルマガを利用した過去・既存顧客の掘り起こし

このギャップを埋めるために、「コンテンツマーケティングチームの立ち上げ」などの戦略が導かれ、サイト制作やメルマガ発行などがはじまりました。
それから、一定の時間が経過していますので、またAS-IS/TO-BEを行い次のステップを考えなければいけません。

変化を“他人事”から“自分ごと”に引き寄せる

AS-IS / TO-BEフレームワークの真の価値は、「変化を“他人事”から“自分ごと”に引き寄せる力」にあります。

AS-ISでは、自分の業務を言語化・見える化します。「普段どんな業務をしているか」「何に時間がかかっているか」など、現状を棚卸しすることで、自分の役割を客観視できます。これにより、「そもそもこのやり方って意味あるの?」みたいな気づきが生まれるかもしれません。

そして、TO-BEでは理想の姿を自分の視点で描くことができます。例えば「もっと楽しく仕事をしたい」「クレーム対応のストレスを減らしたい」といった現場起点の理想像も、TO-BEに含めることができ、単なる組織全体のKGIではなく、自分自身の価値・貢献と結びつく未来像をかくことでモチベーションを高めることにもなるかもしれません。

よくある落とし穴・・自分たちの業務範囲内で完結してしまうAS-IS / TO-BE

マーケティング部門がAS-ISを「広告出稿の状況」や「SNS運用の体制」など、自部門の活動だけにとどめてしまう例はよく見られます。TO-BEも自分たちの権限を越えたアイディアは出にくい傾向があります。

自分の影響範囲内でしか語れない心理的ハードル、「他部門を巻き込むのは難しい」「経営方針は変えられない」という前提の思い込み、KGIではなくKPIレベルでの議論に終始してしまうなどが要因ではないかと思います。

そのためには、「業務視点ではなく顧客視点で考える」「部門ではなく経営視点で考える」「ゴール(KGI)から逆算する」などの方法が考えられます。日々の業務から少し離れて抽象的な議論になりがちなので、苦手(もしくは嫌い)な方もいらっしゃると思いますが、「この業務は顧客体験のどの部分を担っているか?」「このTO-BEは、全社のビジョンにどうつながるか?」みたいな問を自らにしてみながら進めてみるのはどうでしょうか。

まとめ

AS-IS / TO-BEは“自部門の棚卸し”ではなく、“全体最適の変革構想”の道具として使うことが本来の目的です。

しかし、すべてのフレームワークに共通することですが、“表に書くだけの作業”では、あまり役立ちません。
できれば、現場を巻き込んだワークショップ形式で、「顧客にとって今の体験は本当にベストか?」「自分たちは、どうなったらいい仕事ができるのか?」「このギャップを埋めるには誰と組むべきか?」といった問いを投げかけ、言語化と共創のプロセスを経ることで、実効性あるTO-BE像が描かれます。

AS-IS / TO-BEの他にもSWOTや3C分析など、現状分析のフレームワークは他にもありますが、AS-IS / TO-BEフレームワークは、マーケティングにおける戦略の“棚卸し”と“再設計”を助ける優れた思考ツールです。特に、日々の仕事に追われ、理想像の共有不足に気づいたときこそ、このシンプルな2軸のフレームに立ち返ることで、何かが得られるかもしれません。

最後にもう一つ、有効な使い方として、組織の日常の会話の中で「AS-IS」と「TO-BE」という言葉を使いながら会話をすることです。常に現状とあるべき姿を意識した仕事の環境を作れます。おすすめです。

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